土と語る、森の中の美術館 兵庫陶芸美術館 The Museum of Ceramic Art, Hyogo

展覧会情報

会期:2018年3月10日(土)~5月27日(日)

特別展弥生の美-土器に宿る造形と意匠-

(右側)
上:《人面付壺型土器》(重要文化財) 泉坂下遺跡(茨城県常陸大宮市)出土 弥生時代中期 常陸大宮市教育委員会
下:《朱彩壺形土器》(重要文化財) 朝日遺跡(愛知県清須市・名古屋市)出土 弥生時代後期 愛知県教育委員会
(左側)
上:《壺形土器》 板付遺跡(福岡県福岡市)出土 弥生時代前期 福岡市埋蔵文化財センター
中:《壺形土器》 南方遺跡(岡山県岡山市)出土 弥生時代中期 岡山市教育委員会
下:《広口壺形土器》 船橋遺跡(大阪府柏原市・藤井寺市)出土 弥生時代中期 大阪府教育庁・大阪府立弥生文化博物館

 明治17年(1884)3月、東京帝国大学裏手の向ヶ岡弥生町(現文京区弥生)の貝塚で口頸部は欠損するものの、胴部以下が完存する球形の土器が発見されました。その7年前の明治10年(1877)10月、エドワード・S・モース(1835~1925)によって、日本ではじめて科学的な発掘調査が行われた大森貝塚(東京都品川区・大田区)から出土した縄文土器とは異なるこの土器は、発見場所の地名から「弥生式土器」と呼ばれました。

 縄文土器と比べ、薄手で硬く、明るい褐色の土器は、その後、東海・北陸地方をはじめ、九州から東北までの広い地域から出土するようになり、それらの土器を使った時代や文化の実態が明らかとなり、弥生時代あるいは弥生文化として知られるようになりました。その文化を象徴する弥生土器は、多様な縄目文様やうつわから溢れるような突起物で装飾された火焔土器など、躍動的な縄文土器とは趣を異にし、機能性に優れたシンプルな造形と洗練された意匠は、静穏で対照的であるといえます。

 いまから約2,400年前(一説では約3,000年前)、稲作が大陸から北部九州へと伝わり、それまでの狩猟や漁労、採集を生業として自然と共生してきた人々の生活は、農耕を中心とした生活へと変わっていきました。また、稲作とともに青銅器や鉄器も伝わり、新たな素材による道具の普及は、農耕生活や社会構造に影響を与え、最も身近な道具であった土器についても、用途にあわせた多様な土器や地域によって特色のある土器が生み出されることとなりました。

 この展覧会では、全国各地の遺跡から出土した重要文化財31点を含む、160点を超える多種多様な弥生土器の優品を通して、その造形美や意匠とともに、弥生人の生活やモノづくりの技術の一端も探っていきます。

概要

展覧会名 弥生の美-土器に宿る造形と意匠-
The Beauty of Yayoi :Form and Design in Ancient Earthenware
会期 2018年3月10日(土)~5月27日(日)
休館日 月曜日(ただし4月30日(月・祝)は開館、5月1日(火)は休館)
開館時間 10時~18時
ただし、4月29日~5月5日は10時~19時
(入館はいずれも閉館の30分前まで)
出品点数 169件
会場 兵庫陶芸美術館 展示棟 展示室1・2・4・5(地下1階、1階、2階)
観覧料
  個人
Individual
団体
Group
夜間(17:00~)
Evening
一般
Adult
¥1,000 ¥800 ¥500
大学生
University/College
¥800 ¥600 ¥400
  • 20名以上の場合は団体割引料金になります。
  • 高校生以下は無料です。
  • 70歳以上の方は半額になります。
  • 障害のある方は半額。その介助者の方1名は無料になります。
  • 特別割引券はローソンチケット・ミニストップ(Lコード52069)、セブンイレブン(店頭マルチコピー機セブンチケットより)、ファミリーマート(店内設置のFamiポートより)で5月26日(土)まで販売。
  • Group : 20 or more people.(Show identification notebook for the disabled)
  • Free admission for  High / Junior high / Elementary school students and Preschool-age children.
  • Half price for visitors aged 70 or older. (Show identification proving your age)
  • Half price for visitors with disabilities, and free admission for one accompanying person.

    (Show identification notebook for the disabled)

  • Evening: from 5:00 p.m.
  • discount tickets on sale until May 26 (Sat.), 2018.
  • discount tickets are available through Lawson Tickets (Lawson and Mini-stop, L code: 52069), Seven Tickets (Seven-Eleven), and Fami Port (FamilyMart).

 


主催
兵庫陶芸美術館 読売新聞社
後援
兵庫県 兵庫県教育委員会 篠山市 篠山市教育委員会 丹波市 丹波市教育委員会 (公財)兵庫県芸術文化協会 (公財)兵庫県国際交流協会
協力
丹波立杭陶磁器協同組合

主な出品作品

  1. 《壺形土器》 南方遺跡(岡山県岡山市)出土 弥生時代中期 岡山市教育委員会
  2. 《朱彩壺形土器》(重要文化財) 朝日遺跡(愛知県清須市・名古屋市)出土 弥生時代後期 愛知県教育委員会
  3. 《広口壺形土器》 船橋遺跡(大阪府柏原市・藤井寺市)出土 弥生時代中期 大阪府教育庁・大阪府立弥生文化博物館
  4. 《壺形土器》 瓜生堂遺跡(大阪府東大阪市)出土 弥生時代前期 東大阪市立郷土博物館
  5. 《台付蓋付鉢形土器》(重要文化財) 瓜破遺跡(大阪府大阪市)出土 弥生時代中期 大阪歴史博物館
  6. 《人面付土器》(重要文化財) 泉坂下遺跡(茨城県常陸大宮市)出土 弥生時代中期 常陸大宮市教育委員会

関連企画

【受付終了しました】弥生土器をつくろう!

  • 日時:平成30年4月15日(日)13:30~15:30     5月13日(日)10:00~14:00 全2日間
  • 場所:兵庫陶芸美術館 工房(1日目)、第4駐車場・展示棟(2日目)
  • 定員:20名(事前申込み制・応募者多数の場合は抽選 ※結果は郵送)  ※ご注意:複数で受講希望の場合も各自お申し込みをお願いします。   その場合、「連絡事項」または「通信」欄にお連れ様のお名前を   ご記入ください。
  • 参加費:1,000円
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講演会/女王・卑弥呼が使った器たち

  • 日時:3月17日(土) 13時30分~15時(開場は13時)
  • 講師:石野博信氏(兵庫県立考古博物館名誉館長)
  • 場所:兵庫陶芸美術館 研修棟1Fセミナー室
  • 定員:110名(先着順。事前申込制。電話・FAX、ホームページからもお申し込みいただけます)
  • 参加費:無料(ただし観覧券が必要)
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講演会/弥生文化の始まりとその広がり

  • 日時:4月28日(土) 13時30分~15時(開場は13時)
  • 講師:藤尾慎一郎氏(国立歴史民俗博物館教授)
  • 場所:兵庫陶芸美術館 研修棟1Fセミナー室
  • 定員:110名(先着順。事前申込制。電話・FAX、ホームページからもお申し込みいただけます)
  • 参加費:無料(ただし観覧券が必要)
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弥生vs.現代陶芸作家によるトークセッション/現代陶芸作家からみた弥生の造形、その魅力

  • 日時:5月26日(土) 13時30分~15時(開場は13時)
  • 講師:加古勝己氏(兵庫県篠山市)・ かのうたかお氏(京都府京都市)・ 谷穹氏(滋賀県甲賀市)
  • 場所:兵庫陶芸美術館 研修棟1Fセミナー室
  • 定員:110名(先着順。事前申込制。電話・FAX、ホームページからもお申し込みいただけます)
  • 参加費:無料(ただし観覧券が必要)
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当館学芸員によるギャラリートーク

3月24日(土)、4月7日(土)、4月21日(土)、5月5日(土)、5月19日(土)
いずれも11時より (観覧券が必要です)

図録

210✕297mm  151ページ   ¥1900(税込)


同時開催

テーマ展:丹波焼の世界

2017年5月27日(土)~2018年3月31日(土)

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