会期:2019 年3月16日(土)~6月2日(日)
特別展瀬戸ノベルティの魅力―世界に愛されたやきものたち―
上段左 《二人のエンジェル》 1964年 丸山陶器株式会社 横山美術館所蔵
上段右 《マドモアゼル》 1996年 テーケー名古屋人形製陶株式会社 愛知県陶磁美術館所蔵(テーケー名古屋人形製陶株式会社寄贈)
中央 《葡萄を摘むエンジェル付き水差》(1対) 1957年以降 丸山陶器株式会社 横山美術館所蔵
下段左 《エンゲージ》 1995年頃 丸山陶器株式会社 横山美術館所蔵
下段右 《アン王女》 1991年 テーケー名古屋人形製陶株式会社 瀬戸蔵ミュージアム所蔵
愛知県の瀬戸で作られ、世界に向けて輸出された、やきものの人形や動植物などの置物は、「ノベルティ」と呼ばれ、海外の多くの人々のくらしに彩りを添えてきました。
中世に、施釉陶器を焼造した、日本で唯一の窯場である瀬戸は、やきものを意味する「せともの」の語源となった窯業地でもあり、ロクロ成形のうつわを中心に作り続けてきました。そのような産地で、ノベルティが本格的に作られるようになったのは、大正時代のことです。大正3(1914)年に第一次世界大戦が起こり、当時ノベルティが人気を博していたアメリカでは、最大のノベルティ生産国であるドイツからの輸入が途絶えました。代わりに白羽の矢が立ったのが瀬戸で、石膏の型によって作られた輸出用ノベルティの生産が始まりました。
その後は、欧米をはじめとした世界中に多数輸出され、戦後には最盛期を迎えました。ヨーロッパの17~18世紀風の衣装を身にまとった華やかで優雅な人形、ハロウィンなどアメリカ文化を題材にしたもの、さらに、可憐なエンゼル人形や、写実的な表現の動植物などさまざまなノベルティが作られました。しかし、主に輸出向けに作られていたため、これまで日本国内では、その存在がほとんど知られていませんでした。
本展では、世界に愛された、色鮮やかで多彩な瀬戸ノベルティを紹介し、異国情緒あふれる、その愛らしい魅力にせまります。関西では瀬戸ノベルティをまとまって紹介する初めての展覧会となります。この機会に、どうぞお楽しみ下さい。
展覧会の特徴
1 「ノベルティ」って何?
「ノベルティ」というと、現在では、広告宣伝のために作られた景品のことを指すことが多いですが、日本で、着物を身に付けて日本髪を結った、いわゆる日本人形が家庭で飾られてきたように、欧米をはじめとした海外の家庭で飾られてきた陶製の置物を「ノベルティ」と呼びます。瀬戸は、ノベルティを生産した世界有数の窯業地として知られています。明治時代に誕生し、主に輸出用として世界に愛され、現在まで作り続けられている、一世紀を超える歴史のあるやきものです。
2 多彩なデザインの魅力
指の先まで丁寧につくられた人形や、本物と見間違うほど忠実に表現された動植物は、石膏の型に泥を流し込んで成形する「鋳込み」によって作られています。また、レースに泥をしみこませてドレスに仕立てた人形は、優雅で繊細な魅力に満ちあふれています。「エレガント」「キュート」「リアリズム」を極めた、瀬戸ノベルティのデザインの魅力をお楽しみ下さい。
3 関西初!瀬戸ノベルティ大集合
地元・瀬戸や東日本では紹介されたことのある瀬戸ノベルティですが、関西では、ノベルティ誕生から近作までを、一堂に公開する初めての展覧会になります。会場では、原画や石膏型などを通じて、愛らしいノベルティの作り方についてもわかりやすく紹介します。
概要
展覧会名 |
瀬戸ノベルティの魅力―世界に愛されたやきものたち―
The charm of Seto Novelty ーCeramic Ornaments loved from worldー |
会期 |
2019 年3月16日(土)~6月2日(日) |
休館日 |
月曜日
※ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・振休)は開館し、5月7日(火)は休館 |
開館時間 |
10時~18時
ただし4月29日~5月6日は10時~19時
※入館は閉館の30分前まで |
会場 |
兵庫陶芸美術館 展示棟 展示室1・2・4・5(地下1階、1階、2階) |
観覧料
|
個人 Individual |
団体 Group |
夜間(17:00~) Evening |
一般 Adult |
¥1,000 |
¥800 |
¥500 |
大学生 University/College |
¥800 |
¥600 |
¥400 |
- 20名以上の場合は団体割引料金になります。
- 高校生以下は無料です。
- 70歳以上の方は半額になります。
- 障害のある方は半額、その介助者1名は無料になります。
- 17:00以降に観覧される場合は夜間割引料金になります。
- 特別割引はローソンチケット・ミニストップ(Lコード54824)、ファミリーマート(店内設置のFamiポートより)で6月2日(土)まで販売しています。
- 主催
- 兵庫陶芸美術館、朝日新聞社
- 後援
- 兵庫県、兵庫県教育委員会、篠山市、篠山市教育委員会、丹波市、丹波市教育委員会、公益財団法人兵庫県芸術文化協会、公益財団法人兵庫県国際交流協会
- 協力
- 愛知県陶磁美術館、瀬戸蔵ミュージアム、瀬戸市ノベルティ・こども創造館、横山美術館、丹波立杭陶磁器協同組合
主な出品作品
1. 《花を摘む男女》1957年頃 丸山陶器株式会社 横山美術館所蔵
2. 《アカゲラ》1976年 光和陶器株式会社 愛知県陶磁美術館所蔵(光和陶器株式会社寄贈)
3. 《胡蝶蘭》1989年 株式会社丸利商会 瀬戸蔵ミュージアム所蔵
4. 《サグラダ・ファミリアランプスタンド》1980年代 本地陶業株式会社 瀬戸蔵ミュージアム所蔵(加藤勇夫氏寄贈)
5. 《果物持ち田舎子供人形》1960年 丸山陶器株式会社 瀬戸蔵ミュージアム所蔵
6. 《浮き玩具》1905年~1915年 瀬戸蔵ミュージアム所蔵
関連企画
記念講演会/瀬戸ノベルティの歴史とその魅力
- 日時:2019年5年18日(土)13:30~15:00
- 講師:服部文孝氏(瀬戸市美術館館長)
- 場所:兵庫陶芸美術館 研修棟1階 セミナー室
- 定員:110名(事前申込制、先着順)
- 参加費:無料 ※ただし、観覧券(半券可)が必要です。
詳細はこちら
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【受付終了しました】やきものの浮き金魚をつくろう(鋳込みと絵付け体験)
- 日時:2019年3月23日(土)
①午前コース10:00~11:45
②午後コース13:00~14:45
3月24日(日)
③午前コース10:00~11:45
- 講師:瀬戸市ノベルティ・こども創造館スタッフ
館長 山田 司
石膏型師 山田捷彦
絵付師 加藤成良
スタッフ 藤原義夫
- 場所:兵庫陶芸美術館 工房・展示棟
- 定員:各コース 24名(事前申込制・先着順)
※小学生のお子様は保護者の方とご一緒にお申し込みください
- 参加費:小中高校生300円、大人500円
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当館学芸員によるギャラリートーク
日 時 / 3月30日(土)、4月13日(土)、4月27日(土)、5月11日(土)、5月25日(土)
いずれも11時より1時間程度(本展観覧券が必要です)
図録
210×297mm 128ページ
¥1500(税込)
同時開催
テーマ展:丹波焼の世界 season2
2018年5月23日(水)~2019年3月24日(日)
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テーマ展:丹波焼の世界 season3
2019年3月27日(水)~2020年3月22日(日)※3/20(金)12時から3/24(火)まで臨時休館
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